§ 01 / Evaluation

ビタミンK2

Vitamin K2

メナキノン(MK-4、MK-7など)

ビタミンKのうち、発酵食品や動物性食品、サプリ製品で見かけるK2型。骨代謝マーカーや骨密度、血管石灰化の代理指標で研究がありますが、ワルファリンなど抗凝固薬との関係を先に確認します。

主に研究

骨健康、心血管リスク

注意

ワルファリンなどのビタミンK拮抗薬、オルリスタット・胆汁酸吸着薬など脂溶性ビタミン吸収に関わる薬、長期の抗菌薬使用・吸収不良を伴う疾患

C 骨健康
D 心血管リスク

医療判断の代替ではありません

§ 01.5 / First Check

このサプリの読み方

冒頭では研究されている領域を明確に示し、本文では対象者・用量・期間・限界を慎重に確認します。 摂取推奨や個別判断ではありません。

最終更新日

一言結論

ビタミンKのうち、発酵食品や動物性食品、サプリ製品で見かけるK2型。骨代謝マーカーや骨密度、血管石灰化の代理指標で研究がありますが、ワルファリンなど抗凝固薬との関係を先に確認します。

主に研究 骨健康心血管リスク
特に注意が必要な人
ワルファリンなどのビタミンK拮抗薬、オルリスタット・胆汁酸吸着薬など脂溶性ビタミン吸収に関わる薬、長期の抗菌薬使用・吸収不良を伴う疾患、妊娠中・授乳中 持病・服薬中・妊娠中/授乳中・未成年は、注意点と相互作用を先に確認してください。
上限量・過剰摂取
未設定 NIH Office of Dietary Supplementsは、ビタミンKのULを設定していないと説明しています
主要参考資料
6件

分かっていること

骨健康などでRCTやレビューがありますが、対象者・用量・期間に条件があります。

まだ不明なこと

骨健康、心血管リスクは、研究条件や結果のばらつきを分けて読む必要があります。

§ 02 / Evidence

効果領域別の評価

効果領域別エビデンス評価
グレード 効果領域 文献数
C 骨健康 閉経後女性や骨粗鬆症を対象にしたRCT・メタアナリシスがあります。骨密度やオステオカルシン指標は研究されていますが、骨折リスク低下を一般化するには対象者、K2形態、併用療法を分けて読む必要があります。 4 refs
D 心血管リスク 血管・大動脈弁石灰化、動脈硬化指標、dp-ucMGPなどの代理指標を扱うレビューやRCTがあります。結果は一貫せず、心血管疾患の予防や治療判断へ直接広げる根拠としては扱いません。 3 refs
§ 03 / Profile

体内動態・基本情報

ビタミンKは脂溶性で、小腸から吸収された後にリポタンパク質とともに運ばれます。サプリではK1のほか、K2としてMK-4やMK-7が使われます。NIH ODSは、MK-7は吸収され、K1やMK-4とは血中滞留時間が異なる可能性があると説明していますが、形態差をそのまま臨床アウトカムの優劣として読むことはできません。

§ 04

摂取量の目安

厚労省 150 μg/日(成人のビタミンK全体の目安量) 厚生労働省「日本人の食事摂取基準 2025年版」
IOM(米国) 120 μg/日(成人男性のビタミンK全体の目安量。成人女性は90μg/日) NIH Office of Dietary Supplements Vitamin K Fact Sheet

個人差があり、上記はあくまで参考値です。医師・薬剤師にご相談ください。

摂取タイミング
脂溶性ビタミンとして食事中の脂質や胆汁の影響を受けます。サプリ製品ではMK-4、MK-7、ビタミンDやカルシウムとの配合など形態が異なるため、製品量を研究量としてそのまま読み替えないでください。
主な形態
  • メナキノン-4(MK-4)
  • メナキノン-7(MK-7)
  • ビタミンD・カルシウム等との配合製品
§ 05 / Overview

解説

研究で扱われた条件、読み取れる範囲、注意点を補足する本文です。摂取推奨ではなく、必要に応じて 摂取量の目安注意点参考文献 と合わせて確認してください。

まず何として読むか

ビタミンK2は、ビタミンKの一群であるメナキノンを指します。サプリ製品ではMK-4やMK-7として扱われることが多く、納豆などの発酵食品や動物性食品に含まれるビタミンKとも関係します。

SuppLabでは、ビタミンK2を「骨に良い」「血管に良い」といった単純な効能表現では扱いません。骨健康では閉経後女性や骨粗鬆症を対象にした研究、心血管領域では石灰化やMGP関連指標などの代理指標を分けて読みます。特にワルファリンなどの抗凝固薬を使っている人では、食品・サプリのどちらであってもビタミンK量の急な変更が薬効に関わります。

骨健康で見られている範囲

ビタミンKは、オステオカルシンなどのビタミンK依存性タンパク質のカルボキシル化に関わります。この仕組みから、K2と骨密度、骨代謝マーカー、骨折関連アウトカムを扱う研究が行われています。

2022年のメタアナリシスでは、閉経後女性や骨粗鬆症を対象としたK2研究が統合されています。骨密度やオステオカルシン関連指標では変化が報告されていますが、研究にはMK-4、MK-7、併用療法、国や対象者の違いが混在します。2013年のRCTでは、健康な閉経後女性にMK-7を3年間使った条件で骨密度や骨強度指標が評価されています。

ここから読めるのは、主に閉経後女性や骨粗鬆症リスクがある集団で、研究条件下の骨密度・骨代謝マーカーに関する情報です。若年者、男性、骨折歴のない一般集団、食品としての納豆摂取へそのまま広げるものではありません。骨健康の全体像は、骨健康ビタミンDカルシウムも合わせて読む必要があります。

心血管・石灰化指標での読み方

ビタミンK依存性タンパク質には、血管石灰化と関係するMGPもあります。このため、K2と血管石灰化、動脈硬化指標、dp-ucMGPなどの代理指標を扱う研究があります。

一方で、心血管領域のエビデンスは骨健康より慎重に読む必要があります。2020年のシステマティックレビューでは、ビタミンK補充と心血管疾患に関する代理指標を扱う介入試験が整理されていますが、臨床イベントの予防まで示すものではありません。2019年の糖尿病・心血管疾患既往を持つ人を対象にしたMK-7試験では、CTで見た石灰化量に明確な差は示されませんでした。2022年の大動脈弁石灰化を扱うRCTでも、K2とビタミンDの併用で石灰化進行が抑えられたとは読めません。

したがって、ビタミンK2を「血管を守るサプリ」として扱うのは過剰です。心血管リスクでは、観察研究、代理指標、RCT、臨床イベントを分けて確認します。心血管疾患、慢性腎臓病、糖尿病、抗凝固療法がある人では、サプリ側で自己判断する前に医療者確認が先です。

K1、K2、MK-4、MK-7を同じものとして扱わない

NIH ODSは、サプリに使われるビタミンKとしてK1、MK-4、MK-7などを挙げています。K2という名前でまとめられていても、MK-4とMK-7では血中での動きや研究条件が異なります。MK-7は半減期が長いと説明されることがありますが、それだけで臨床アウトカムが優れているとは言えません。

また、日本では納豆がK2を含む食品として知られています。ただし、納豆を食べる話、K2サプリを使う話、医薬品としてのメナテトレノンを使う話は同じではありません。食品・サプリ・医薬品の文脈を混ぜると、研究で見られた用量や対象者を読み違えます。

注意点と相互作用

最も重要なのはワルファリンなどの抗凝固薬です。NIH ODSは、ワルファリン等を使っている人ではビタミンK摂取量の急な増減が抗凝固作用に影響すると説明しています。これはK2サプリだけでなく、納豆や青菜など食品からのビタミンKにも関係します。自己判断で「一定量ならよい」「天然食品ならよい」と決めないでください。

脂溶性ビタミンの吸収に関わる薬や疾患にも注意します。オルリスタット、胆汁酸吸着薬、長期の抗菌薬使用、吸収不良、胆道・肝疾患、慢性腎臓病では、ビタミンK状態や検査値の扱いが変わることがあります。

耐容上限量が設定されていないことも、誤解しやすい点です。これは「高用量を長期に使ってよい」という意味ではありません。骨や血管のアウトカムは、ビタミンD、カルシウム、腎機能、薬、年齢、閉経、運動、食事全体と一緒に見ます。

SuppLabでの扱い

SuppLabでは、ビタミンK2を骨健康では閉経後女性や骨粗鬆症研究を中心に、心血管リスクでは代理指標の研究として扱います。グレードは摂取推奨やランキングではなく、特定アウトカムに対する根拠の強さを整理するための表示です。読み方は評価方法にも整理しています。

薬との併用が気になる場合は、薬とサプリの飲み合わせで確認すべきことも参照してください。抗凝固薬を使っている人、骨粗鬆症や心血管疾患で治療中の人、慢性腎臓病がある人、妊娠中・授乳中・未成年の人は、ビタミンK2サプリを自己判断で追加・中止せず、医師・薬剤師などに現在の食品・サプリ・薬の状況を伝えて確認してください。

§ 06

注意点・相互作用

相互作用

ワルファリンなどのビタミンK拮抗薬 要注意

ビタミンK摂取量の急な変化は抗凝固作用に影響します。ワルファリン等を使っている人は、食品・サプリを問わずビタミンK量を自己判断で増減せず、主治医や薬剤師に確認してください。

オルリスタット・胆汁酸吸着薬など脂溶性ビタミン吸収に関わる薬 注意

脂質吸収や胆汁酸の再吸収に関わる薬では、ビタミンKを含む脂溶性ビタミンの扱いが変わる場合があります。長期使用中は検査値や食事内容と合わせて医療者へ確認します。

長期の抗菌薬使用・吸収不良を伴う疾患 注意

腸内細菌や脂溶性ビタミン吸収に影響する条件では、ビタミンK状態の確認が必要になる場合があります。サプリで自己調整する前に背景疾患と薬剤を確認します。

ビタミンD・カルシウム配合製品 軽微

骨代謝の説明で一緒に語られますが、セットで使えば骨や血管のアウトカムが良くなると断定できる根拠ではありません。カルシウム摂取量、25(OH)D、腎機能、服薬状況を分けて読みます。

注意事項

  • ワルファリンなどの抗凝固薬を使っている人では、ビタミンKを含む食品・サプリの急な増減が薬効に関わります。自己判断で追加・中止しないでください。
  • 骨粗鬆症、慢性腎臓病、心血管疾患、血液凝固異常、吸収不良、胆道・肝疾患がある人は、研究対象と自分の状況を同じものとして扱わないでください。
  • 妊娠中・授乳中、未成年、乳児では、一般向けK2サプリではなく食事摂取基準や医療上のビタミンK管理と分けて確認してください。
  • 耐容上限量が未設定であることは、高用量サプリを長期に使う根拠ではありません。
  • 納豆や発酵食品からの摂取と、MK-4・MK-7サプリの研究条件は同じではありません。
§ 07

よくある誤解

ビタミンK2について「ビタミンK2を足せばカルシウムは必ず骨に行く」と考えてよいか

ビタミンKはオステオカルシンなどのカルボキシル化に関わりますが、骨密度や骨折リスクは年齢、閉経、ビタミンD、カルシウム、薬物療法、運動、腎機能などにも左右されます。

ビタミンK2について「ビタミンDとK2は必ずセットで使うべき」と考えてよいか

ビタミンD、K2、カルシウムは骨代謝の異なる段階に関わりますが、全員にセットで必要と読める根拠ではありません。検査値、食事、服薬状況を先に確認します。

ビタミンK2について「K2だけで血管石灰化対策として読める」と考えてよいか

血管石灰化や動脈硬化の代理指標を扱う研究はありますが、RCTの結果は一貫しません。心血管疾患の予防や治療判断としては扱いません。

ビタミンK2について「MK-4よりMK-7の方が常に優れている」と考えてよいか

MK-4とMK-7では半減期や研究条件が異なります。血中滞留時間の違いを、そのまま骨折・心血管アウトカムの優劣として読むことはできません。

§ References

参考文献

  1. メタアナリシス

    Efficacy and safety of vitamin K2 for postmenopausal women with osteoporosis at a long-term follow-up: meta-analysis and systematic review

    PubMed URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35711002/
  2. メタアナリシス

    Efficacy of vitamin K2 in the prevention and treatment of postmenopausal osteoporosis: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials

    PubMed URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36033779/
  3. ランダム化比較試験

    Three-year low-dose menaquinone-7 supplementation helps decrease bone loss in healthy postmenopausal women

    PubMed URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23525894/
  4. システマティックレビュー

    Vitamin K Supplementation for the Prevention of Cardiovascular Disease: Where Is the Evidence? A Systematic Review of Controlled Trials

    PubMed URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32977548/
  5. ランダム化比較試験

    The effect of menaquinone-7 supplementation on vascular calcification in patients with diabetes: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial

    PubMed URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31387121/
  6. ランダム化比較試験

    Vitamin K2 and D in Patients With Aortic Valve Calcification: A Randomized Double-Blinded Clinical Trial

    PubMed URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35465686/
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