カフェイン
Caffeine
1,3,7-トリメチルキサンチン
中枢神経を刺激する食品成分。運動前の研究用量と日常の覚醒目的は分けて読み、睡眠、妊娠中、服薬、純粉末・高濃度製品のリスクを確認したい。
エネルギー・疲労感、筋力・筋肥大、認知機能・集中力
CYP1A2を阻害する薬剤(一部の抗菌薬など)、他の刺激性成分(エフェドラ、シネフリン等)、アルコール
医療判断の代替ではありません
このサプリの読み方
冒頭では研究されている領域を明確に示し、本文では対象者・用量・期間・限界を慎重に確認します。 摂取推奨や個別判断ではありません。
最終更新日
中枢神経を刺激する食品成分。運動前の研究用量と日常の覚醒目的は分けて読み、睡眠、妊娠中、服薬、純粉末・高濃度製品のリスクを確認したい。
- 比較的根拠がある領域
- エネルギー・疲労感 グレード B 筋力・筋肥大 グレード B
- まだ判断が難しい領域
- 認知機能・集中力 グレード C
- 特に注意が必要な人
- CYP1A2を阻害する薬剤(一部の抗菌薬など)、他の刺激性成分(エフェドラ、シネフリン等)、アルコール、妊娠中・授乳中 持病・服薬中・妊娠中/授乳中・未成年は、注意点と相互作用を先に確認してください。
- 上限量・過剰摂取
- 400 mg/日(健康な成人の目安) EFSA「Caffeine」およびScientific Opinion on the safety of caffeine
- 相互作用
- 3件(要注意 1件)
- 主要参考資料
- 6件
分かっていること
エネルギー・疲労感などで比較的研究が多い一方、対象者・用量・期間を分けて確認します。
まだ不明なこと
認知機能・集中力は、研究条件や結果のばらつきを分けて読む必要があります。
効果領域別の評価
| グレード | 効果領域 | 文献数 |
|---|---|---|
| B | エネルギー・疲労感 運動パフォーマンスや眠気の軽減に関する研究蓄積は多いが、日常の疲労感を広く解決する根拠としては読まない。用量、睡眠状態、耐性、個人差を分けて扱う。 | 3 refs |
| B | 筋力・筋肥大 抵抗運動の速度や筋持久力ではメタアナリシスがある。効果量は小〜中程度で、競技者、摂取量、慣れ、睡眠への影響によって解釈が変わる。 | 2 refs |
| C | 認知機能・集中力 注意課題や気分を扱うRCTはあるが、睡眠不足、日常摂取量、L-テアニン併用の有無で結果が変わる。学習能力や認知機能全般の向上とは扱わない。 | 2 refs |
体内動態・基本情報
経口摂取後、一般に1時間前後で血中濃度が高まり、主に肝臓のCYP1A2で代謝される。半減期は遺伝、喫煙、妊娠、経口避妊薬、肝機能、服薬で変わるため、「何時までなら睡眠に影響しない」と一律には決めにくい。
摂取量の目安
個人差があり、上記はあくまで参考値です。医師・薬剤師にご相談ください。
解説
研究で扱われた条件、読み取れる範囲、注意点を補足する本文です。摂取推奨ではなく、必要に応じて 摂取量の目安・注意点・参考文献 と合わせて確認してください。
カフェインとは
カフェインは、コーヒー豆、茶葉、カカオ、ガラナなどに含まれる食品成分です。中枢神経ではアデノシン受容体に関わり、眠気や疲労感の自覚に影響します。ただし、体感が出やすいことと、長期的な健康アウトカムが良くなることは同じではありません。
SuppLabでは、カフェインを「運動前の研究用量」「日常の覚醒目的」「睡眠に与える影響」「高濃度製品のリスク」に分けて評価します。市販品の含有量、コーヒーや茶からの摂取、エナジードリンク、錠剤を合算して考える必要があります。
根拠の読み方
スポーツ領域では、カフェインと運動パフォーマンスを扱うレビューやメタアナリシスが複数あります。研究では体重1kgあたり3〜6mg程度を運動前に使う条件が多く、持久系や一部の抵抗運動指標で差が報告されています。
一方で、この研究用量は「毎日の集中力維持のために同量を続ける」という意味ではありません。普段の摂取量が多い人、睡眠が不足している人、不安や動悸が出やすい人では、同じ量でも不利益が目立つことがあります。
認知課題では、カフェイン単独またはL-テアニン併用を扱う小規模RCTがあります。反応時間や注意課題の結果は参考になりますが、学習能力や仕事の成果が広く上がるとまでは読めません。
摂取量と上限量を分ける
EFSAは、健康な成人について、単回200mg程度、1日400mg程度までの摂取は安全性上の懸念が低い範囲として説明しています。妊娠中・授乳中は、全ての摂取源を合わせて200mg/日までを目安とする説明があります。
これは「その量まで摂ると良い」という意味ではありません。コーヒー、茶、エナジードリンク、チョコレート、サプリ、医薬品を合算した総量として読みます。睡眠、心拍、不安感、胃腸症状が出る場合は、上限量より低い範囲でも調整が必要です。
睡眠と高濃度製品に注意する
就寝前のカフェインは、100mg程度でも睡眠に影響することがあります。2013年のランダム化試験では、就寝0時間前、3時間前、6時間前の摂取条件で睡眠への影響が調べられています。睡眠が短くなると、翌日の眠気をカフェインで補う循環になりやすいため、摂取時刻は量と同じくらい重要です。
FDAは、純粉末や高濃度液体カフェインについて、家庭で適切な量を測り分けることが難しく、重い有害事象につながりうると注意喚起しています。一般的な飲料や錠剤と同じ感覚で扱わない方がよいです。
使う前に確認したい人
- 妊娠中・授乳中、妊娠を希望している
- 不眠、不安症状、動悸、不整脈、高血圧、胃食道逆流がある
- 抗菌薬など、カフェイン代謝に関わる薬を使っている
- 減量・運動向け製品で、シネフリンなど他の刺激性成分も含まれている
- 子ども・未成年に使うことを考えている
これらに当てはまる場合、カフェインを医療判断の代替として使わず、医師・薬剤師などの医療専門職に確認してください。
注意点・相互作用
相互作用
カフェイン代謝が遅くなり、動悸、不安感、不眠などが出やすくなる可能性がある。服薬中は総カフェイン量を医師・薬剤師に確認する。
心拍数、血圧、不安感などへの影響が重なる可能性がある。減量・運動向け製品では配合成分を個別に確認する。
眠気を感じにくくなっても、判断力低下や飲酒リスクがなくなるわけではない。飲酒量や体調をカフェインで相殺できるとは考えない。
注意事項
- EFSAは健康な成人について、1日400mgまでの摂取は安全性上の懸念が低い範囲として説明しているが、これは摂取を勧める量ではありません。
- 妊娠中・授乳中は、全ての摂取源を合わせて200mg/日までを目安とする説明があり、医療者と確認して扱ってください。
- 就寝前の摂取は100mg程度でも睡眠時間や睡眠の質に影響することがあります。
- 純粉末・高濃度液体は少量の測定誤差が大きな過量摂取につながるため、食品・サプリとして扱うにはリスクが高い形態です。
- 不安症状、不整脈、高血圧、胃食道逆流、睡眠障害がある人、未成年に使う場合は自己判断で増量しないでください。
よくある誤解
カフェインについて「多く摂るほど集中できる」と考えてよいか
摂取量が増えるほど不安、動悸、手の震え、不眠なども出やすくなります。注意課題の研究結果を、作業能力全般や長期的な学習成果にそのまま広げない方がよいです。
カフェインについて「カフェイン粉末はコーヒーより効率的で扱いやすい」と考えてよいか
FDAは純粉末・高濃度液体カフェインについて、家庭での正確な計量が難しく、重篤な有害事象につながりうると注意喚起しています。
カフェインについて「運動前のカフェインは誰にでも同じように役立つ」と考えてよいか
競技種目、用量、摂取タイミング、普段のカフェイン摂取量、睡眠、体質で結果が変わります。睡眠を削ってまで使うものではありません。
参考文献
- その他
International society of sports nutrition position stand: caffeine and exercise performance.
PubMed URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33388079/ - メタアナリシス
Effects of Caffeine Intake on Endurance Running Performance and Time to Exhaustion: A Systematic Review and Meta-Analysis.
PubMed URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36615805/ - メタアナリシス
Acute Effects of Caffeine Supplementation on Movement Velocity in Resistance Exercise: A Systematic Review and Meta-analysis.
PubMed URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31643020/ - ランダム化比較試験
The combined effects of L-theanine and caffeine on cognitive performance and mood.
PubMed URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18681988/ - ランダム化比較試験
Caffeine effects on sleep taken 0, 3, or 6 hours before going to bed.
PubMed URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24235903/ - システマティックレビュー
Systematic review of the potential adverse effects of caffeine consumption in healthy adults, pregnant women, adolescents, and children.
PubMed URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28438661/